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童話

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きんのつばき

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むかし、むかし、お殿様のお城で盛大な宴が開かれました。お殿様は、大勢を招いて、食べたり、飲んだり、歌ったり、話したり、宴は真夜中になっても続いていましたが、客の奥方たちはお疲れでした。
お殿様の子供がお腹の中にいる奥方もたいそうお疲れで、うかつにも大勢の客の前でおならをしてしまいました。
おならの音を聞いたお殿様は、かんかんに腹を立て、
「この恥知らずめ。人前でそそうをするとは。お前は、もうわしの妻ではない。さっさと出て行け。」
お殿様は、妻を小船に乗せると、海に放り出しました。
数日後、気を失った妻を乗せた舟は小さな島にたどり着きました。
「まだ息をしているぞ。生きているぞ。」と漁師。
「身ごもっているぞ。」と別の漁師。
親切な島の人達は、女の世話をし、小さな家まで建ててくれました。
まもなく女は、その家で元気のいい男の子を産みました。女の人は物静かでしたが、男の子は活動的で、島の子供達と朝から晩まで遊びました。
男の子が十二歳になったある日のことです。男の子は母親に尋ねました。
「みんなにはお父さんがいるのに、どうして僕にはいないの。」
「実を言うと、お前はお殿様の子供なのです。お前がお腹にいるとき、私はみんなの前でおならをしてしまった罰でこの島に来たのです。」
男の子は、母親の反対を押し切って、父に会うことにしました。
次の朝、男の子は、旅立ち、三日三晩寝ずに舟を漕ぎました。
山の上に父の大きなお城が見えてきて、舟から下りると、美しい椿を見つけました。
男の子は、手に椿の枝を持ってお城に歩いて行きました。
「金の椿はいらんかね。金の椿はいらんかね。」
男の子は、そう言いながら、お城の周りを歩きました。
「金の椿はいらんかね。金の椿はいらんかね。」
その声を聞いて、
「何と。金の椿だと。すぐにあの子をここに連れて来なさい。」
お殿様家来に命じて男の子を呼びましたが、汚い男の子が持っていたのはただの椿の枝でした。
「うそを申したな。それは金の椿ではなく、普通の椿だ。覚悟せい。」
息子は父親の顔を見て、
「この椿は、おならをしたことの無い人が植えると金の花が咲きます。」
「冗談を申すな。この世の中におならをしない人間などおるものか。」
と父親は、大声を上げて子供に言いました。
「それでは、どうして母を島流しにしたのですか。」
「お前は、まさかわしの息子か。すまんかった。あの時はわしが馬鹿だった。許してくれ。」
お殿様は息子に詫びると、妻をお城に連れ戻し、息子は、父、母と一緒に幸せに暮らしました。

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