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百人一首 1~100 ランダム or 連続再生


百人一首を1から100まで、自動で読み上げます。
順番どおり連続再生も、シャッフルしてランダム再生も可能です。
競技かるたの練習や、正月のかるた遊びや百人一首の暗記・学習・ゲームにも使えます。
ひらがなで小学生でも覚えやすいです。
※各歌を2回読み上げます。序歌は読み上げません。






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歌:

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上の句:

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下の句:

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百人一首 1番歌~100番歌 一覧


序歌. 難波津に咲くやこの花冬ごもり 今を春べと咲くやこの花 ( 王仁博士 )

なにわづに さくやこのはな ふゆごもり いまをはるべと さくやこのはな



1. 秋の田のかりほの庵の苫をあらみ わが衣手は露にぬれつつ ( 天智天皇 )

あきのたの かりほのいほの とまをあらみ わかころもては つゆにぬれつつ



2. 春過ぎて夏来にけらし白妙の 衣干すてふ天の香具山 ( 持統天皇 )

はるすきて なつきにけらし しろたへの ころもほすてふ あまのかくやま



3. あしびきの山鳥の尾のしだり尾の ながながし夜をひとりかも寝む ( 柿本人麻呂 )

あしひきの やまとりのをの したりをの なかなかしよを ひとりかもねむ



4. 田子の浦にうち出でて見れば白妙の 富士の高嶺に雪は降りつつ ( 山辺赤人 )

たこのうらに うちいててみれは しろたへの ふしのたかねに ゆきはふりつつ



5. 奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の 声聞く時ぞ秋は悲しき ( 猿丸大夫 )

おくやまに もみちふみわけ なくしかの こゑきくときそ あきはかなしき



6. 鵲の渡せる橋に置く霜の 白きを見れば夜ぞ更けにける ( 中納言家持 )

かささきの わたせるはしに おくしもの しろきをみれは よそふけにける



7. 天の原ふりさけ見れば春日なる 三笠の山に出でし月かも ( 安倍仲麿 )

あまのはら ふりさけみれは かすかなる みかさのやまに いてしつきかも



8. わが庵は都の辰巳しかぞ住む 世をうぢ山と人はいふなり ( 喜撰法師 )

わかいほは みやこのたつみ しかそすむ よをうちやまと ひとはいふなり



9. 花の色は移りにけりないたづらに わが身世にふるながめせしまに ( 小野小町 )

はなのいろは うつりにけりな いたつらに わかみよにふる なかめせしまに



10. これやこの行くも帰るも別れては 知るも知らぬもあふ坂の関 ( 蝉丸 )

これやこの ゆくもかへるも わかれては しるもしらぬも あふさかのせき



11. わたの原八十島かけて漕ぎ出でぬと 人には告げよ海人の釣船 ( 参議篁 )

わたのはら やそしまかけて こきいてぬと ひとにはつけよ あまのつりふね



12. 天つ風雲の通ひ路吹きとぢよ 乙女の姿しばしとどめむ ( 僧正遍昭 )

あまつかせ くものかよひち ふきとちよ をとめのすかた しはしととめむ



13. 筑波嶺の峰より落つるみなの川 恋ぞ積もりて淵となりぬる ( 陽成院 )

つくはねの みねよりおつる みなのかわ こひそつもりて ふちとなりぬる



14. 陸奥のしのぶもぢずりたれゆえに 乱れそめにしわれならなくに ( 河原左大臣 )

みちのくの しのふもちすり たれゆゑに みたれそめにし われならなくに



15. 君がため春の野に出でて若菜摘む わが衣手に雪は降りつつ ( 光孝天皇 )

きみかため はるののにいてて わかなつむ わかころもてに ゆきはふりつつ



16. 立ち別れいなばの山の峰に生ふる まつとし聞かば今帰り来む ( 中納言行平 )

たちわかれ いなはのやまの みねにおふる まつとしきかは いまかへりこむ



17. ちはやぶる神代も聞かず竜田川 からくれなゐに水くくるとは ( 在原業平朝臣 )

ちはやふる かみよもきかす たつたかは からくれなゐに みつくくるとは



18. 住の江の岸に寄る波よるさへや 夢の通ひ路人目よくらむ ( 藤原敏行朝臣 )

すみのえの きしによるなみ よるさへや ゆめのかよひち ひとめよくらむ



19. 難波潟短き蘆のふしの間も 逢はでこの世を過ぐしてよとや ( 伊勢 )

なにはかた みしかきあしの ふしのまも あはてこのよを すくしてよとや



20. わびぬれば今はたおなじ難波なる みをつくしても逢はむとぞ思ふ ( 元良親王 )

わひぬれは いまはたおなし なにはなる みをつくしても あはむとそおもふ



21. 今来むといひしばかりに長月の 有明の月を待ち出でつるかな ( 素性法師 )

いまこむと いひしはかりに なかつきの ありあけのつきを まちいてつるかな



22. 吹くからに秋の草木のしをるれば むべ山風をあらしといふらむ ( 文屋康秀 )

ふくからに あきのくさきの しをるれは むへやまかせを あらしといふらむ



23. 月見ればちぢにものこそ悲しけれ わが身ひとつの秋にはあらねど ( 大江千里 )

つきみれは ちちにものこそ かなしけれ わかみひとつの あきにはあらねと



24. このたびは幣も取りあへず手向山 紅葉の錦神のまにまに ( 菅家 )

このたひは ぬさもとりあへす たむけやま もみちのにしき かみのまにまに



25. 名にし負はば逢う坂山のさねかずら 人に知られで来るよしもがな ( 三条右大臣 )

なにしおはは あふさかやまの さねかつら ひとにしられて くるよしもかな



26. 小倉山峰の紅葉葉心あらば いまひとたびのみゆき待たなむ ( 貞信公 )

をくらやま みねのもみちは こころあらは いまひとたひの みゆきまたなむ



27. みかの原わきて流るるいづみ川 いつ見きとてか恋しかるらむ ( 中納言兼輔 )

みかのはら わきてなかるる いつみかは いつみきとてか こひしかるらむ



28. 山里は冬ぞ寂しさまさりける 人目も草もかれぬと思へば ( 源宗于朝臣 )

やまさとは ふゆそさびしさ まさりける ひとめもくさも かれぬとおもへは



29. 心あてに折らばや折らむ初霜の 置きまどはせる白菊の花 ( 凡河内躬恒 )

こころあてに おらはやおらむ はつしもの おきまとはせる しらきくのはな



30. 有明のつれなく見えし別れより 暁ばかり憂きものはなし ( 壬生忠岑 )

ありあけの つれなくみえし わかれより あかつきはかり うきものはなし



31. 朝ぼらけ有明の月と見るまでに 吉野の里に降れる白雪 ( 坂上是則 )

あさほらけ ありあけのつきと みるまてに よしののさとに ふれるしらゆき



32. 山川に風のかけたるしがらみは 流れもあへぬ紅葉なりけり ( 春道列樹 )

やまかはに かせのかけたる しからみは なかれもあへぬ もみちなりけり



33. ひさかたの光のどけき春の日に しづ心なく花の散るらむ ( 紀友則 )

ひさかたの ひかりのとけき はるのひに しつこころなく はなのちるらむ



34. 誰をかも知る人にせむ高砂の 松も昔の友ならなくに ( 藤原興風 )

たれをかも しるひとにせむ たかさこの まつもむかしの ともならなくに



35. 人はいさ心も知らずふるさとは 花ぞ昔の香に匂ひける ( 紀貫之 )

ひとはいさ こころもしらす ふるさとは はなそむかしの かににほひける



36. 夏の夜はまだ宵ながら明けぬるを 雲のいずこに月宿るらむ ( 清原深養父 )

なつのよは またよひなから あけぬるを くものいつこに つきやとるらむ



37. 白露に風の吹きしく秋の野は つらぬきとめぬ玉ぞ散りける ( 文屋朝康 )

しらつゆに かせのふきしく あきののは つらぬきとめぬ たまそちりける



38. 忘らるる身をば思はず誓ひてし 人の命の惜しくもあるかな ( 右近 )

わすらるる みをはおもはす ちかひてし ひとのいのちの をしくもあるかな



39. 浅茅生の小野の篠原忍ぶれど あまりてなどか人の恋しき ( 参議等 )

あさちふの をののしのはら しのふれと あまりてなとか ひとのこひしき



40. 忍ぶれど色に出でにけりわが恋は ものや思ふと人の問ふまで ( 平兼盛 )

しのふれと いろにいてにけり わかこひは ものやおもふと ひとのとふまて



41. 恋すてふわが名はまだき立ちにけり 人知れずこそ思ひそめしか ( 壬生忠見 )

こひすてふ わかなはまたき たちにけり ひとしれすこそ おもひそめしか



42. 契りきなかたみに袖をしぼりつつ 末の松山波越さじとは ( 清原元輔 )

ちきりきな かたみにそてを しほりつつ すゑのまつやま なみこさしとは



43. 逢ひ見てののちの心にくらぶれば 昔はものを思はざりけり ( 権中納言敦忠 )

あひみての のちのこころに くらふれは むかしはものを おもはさりけり



44. 逢ふことの絶えてしなくはなかなかに 人をも身をも恨みざらまし ( 中納言朝忠 )

あふことの たえてしなくは なかなかに ひとをもみをも うらみさらまし



45. あはれともいふべき人は思ほえで 身のいたずらになりぬべきかな ( 謙徳公 )

あはれとも いふへきひと はおもほ えてみのいたつ らになりぬへき



46. 由良の門を渡る舟人かぢを絶え ゆくへも知らぬ恋のみちかな ( 曾禰好忠 )

ゆらのとを わたるふなひと かちをたえ ゆくへもしらぬ こひのみちかな



47. 八重むぐら茂れる宿の寂しきに 人こそ見えね秋は来にけり ( 恵慶法師 )

やへむくら しけれるやとの さひしきに ひとこそみえね あきはきにけり



48. 風をいたみ岩打つ波のおのれのみ くだけてものを思ふころかな ( 源重之 )

かせをいたみ いはうつなみの おのれのみ くたけてものを おもふころかな



49. 御垣守衛士のたく火の夜は燃え 昼は消えつつものをこそ思へ ( 大中臣能宣朝臣 )

みかきもり ゑしのたくひの よるはもえ ひるはきえつつ ものをこそおもへ



50. 君がため惜しからざりし命さへ 長くもがなと思ひけるかな ( 藤原義孝 )

きみかため おしからさりし いのちさへ なかくもかなと おもひけるかな



51. かくとだにえやは伊吹のさしも草 さしも知らじな燃ゆる思ひを ( 藤原実方朝臣 )

かくとたに えやはいふきの さしもくさ さしもしらしな もゆるおもひを



52. 明けぬれば暮るるものとは知りながら なほ恨めしき朝ぼらけかな ( 藤原道信朝臣 )

あけぬれは くるるものとは しりなから なほうらめしき あさほらけかな



53. 嘆きつつひとり寝る夜の明くる間は いかに久しきものとかは知る ( 右大将道綱母 )

なけきつつ ひとりぬるよの あくるまは いかにひさしき ものとかはしる



54. 忘れじのゆく末まではかたければ 今日を限りの命ともがな ( 儀同三司母 )

わすれしの ゆくすゑまては かたけれは けふをかきりの いのちともかな



55. 滝の音は絶えて久しくなりぬれど 名こそ流れてなほ聞こえけれ ( 大納言公任 )

たきのおとは たえてひさしく なりぬれと なこそなかれて なほきこえけれ



56. あらざらむこの世のほかの思ひ出に いまひとたびの逢ふこともがな ( 和泉式部 )

あらさらむ このよのほかの おもひてに いまひとたひの あふこともかな



57. めぐり逢ひて見しやそれとも分かぬ間に 雲隠れにし夜半の月かな ( 紫式部 )

めくりあひて みしやそれとも わかぬまに くもかくれにし よはのつきかな



58. 有馬山猪名の篠原風吹けば いでそよ人を忘れやはする ( 大弐三位 )

ありまやま ゐなのささはら かせふけは いてそよひとを わすれやはする



59. やすらはで寝なましものをさ夜更けて かたぶくまでの月を見しかな ( 赤染衛門 )

やすらはて ねなましものを さよふけて かたふくまての つきをみしかな



60. 大江山いく野の道の遠ければ まだふみも見ず天の橋立 ( 小式部内侍 )

おほえやま いくののみちの とほけれは またふみもみす あまのはしたて



61. いにしへの奈良の都の八重桜 けふ九重に匂ひぬるかな ( 伊勢大輔 )

いにしへの ならのみやこの やへさくら けふここのへに にほひぬるかな



62. 夜をこめて鳥のそら音ははかるとも よに逢坂の関は許さじ ( 清少納言 )

よをこめて とりのそらねは はかるとも よにあふさかの せきはゆるさし



63. 今はただ思ひ絶えなむとばかりを 人づてならでいふよしもがな ( 左京大夫道雅 )

いまはたた おもひたえなむ とはかりを ひとつてならて いふよしもかな



64. 朝ぼらけ宇治の川霧たえだえに あらはれわたる瀬々の網代木 ( 権中納言定頼 )

あさほらけ うちのかはきり たえたえに あらはれわたる せせのあしろき



65. 恨みわび干さぬ袖だにあるものを 恋に朽ちなむ名こそ惜しけれ ( 相模 )

うらみわひ ほさぬそてたに あるものを こひにくちなむ なこそをしけれ



66. もろともにあはれと思え山桜 花よりほかに知る人もなし ( 前大僧正行尊 )

もろともに あはれとおもへ やまさくら はなよりほかに しるひともなし



67. 春の夜の夢ばかりなる手枕に かひなく立たむ名こそをしけれ ( 周防内侍 )

はるのよの ゆめはかりなる たまくらに かひなくたたむ なこそをしけれ



68. 心にもあらで憂き夜に長らへば 恋しかるべき夜半の月かな ( 三条院 )

こころにも あらてうきよに なからへは こひしかるへき よはのつきかな



69. 嵐吹く三室の山のもみぢ葉は 竜田の川の錦なりけり ( 能因法師 )

あらしふく みむろのやまの もみちはは たつたのかはの にしきなりけり



70. 寂しさに宿を立ち出でてながむれば いづくも同じ秋の夕暮れ ( 良暹法師 )

さひしさに やとをたちいてて なかむれは いつくもおなし あきのゆふくれ



71. 夕されば門田の稲葉訪れて 蘆のまろ屋に秋風ぞ吹く ( 大納言経信 )

ゆうされは かとたのいなは おとつれて あしのまろやに あきかせそふく



72. 音に聞く高師の浜のあだ波は かけじや袖のぬれもこそすれ ( 祐子内親王家紀伊 )

おとにきく たかしのはまの あたなみは かけしやそての ぬれもこそすれ



73. 高砂の尾の上の桜咲きにけり 外山のかすみ立たずもあらなむ ( 前権中納言匡房 )

たかさこの をのへのさくら さきにけり とやまのかすみ たたすもあらなむ



74. 憂かりける人を初瀬の山おろしよ 激しかれとは祈らぬものを ( 源俊頼朝臣 )

うかりける ひとをはつせの やまおろしよ はけしかれとは いのらぬものを



75. 契りおきしさせもが露を命にて あはれ今年の秋もいぬめり ( 藤原基俊 )

ちきりおきし させもかつゆを いのちにて あはれことしの あきもいぬめり



76. わたの原漕ぎ出でて見ればひさかたの 雲居にまがふ沖つ白波 ( 法性寺入道前関白太政大臣 )

わたのはら こきいててみれは ひさかたの くもゐにまかふ おきつしらなみ



77. 瀬をはやみ岩にせかるる滝川の われても末に逢はむとぞ思ふ ( 崇徳院 )

せをはやみ いわにせかるる たきかはの われてもすゑに あはむとそおもふ



78. 淡路島通ふ千鳥の鳴く声に いく夜寝覚めぬ須磨の関守 ( 源兼昌 )

あはちしま かよふちとりの なくこゑに いくよねさめぬ すまのせきもり



79. 秋風にたなびく雲のたえ間より 漏れ出づる月の影のさやけさ ( 左京大夫顕輔 )

あきかせに たなひくくもの たえまより もれいつるつきの かけのさやけさ



80. ながからむ心も知らず黒髪の 乱れてけさはものをこそ思へ ( 待賢門院堀河 )

なかからむ こころもしらす くろかみの みたれてけさは ものをこそおもへ



81. ほととぎす鳴きつる方をながむれば ただ有明の月ぞ残れる ( 後徳大寺左大臣 )

ほとときす なきつるかたを なかむれは たたありあけの つきそのこれる



82. 思ひわびさても命はあるものを 憂きに堪へぬは涙なりけり ( 道因法師 )

おもひわひ さてもいのちは あるものを うきにたへぬは なみたなりけり



83. 世の中よ道こそなけれ思ひ入る 山の奥にも鹿ぞ鳴くなる ( 皇太后宮大夫俊成 )

よのなかよ みちこそなけれ おもひいる やまのおくにも しかそなくなる



84. 長らへばまたこのごろやしのばれむ 憂しと見し世ぞ今は恋しき ( 藤原清輔朝臣 )

なからへは またこのころや しのはれむ うしとみしよそ いまはこひしき



85. 夜もすがらもの思ふころは明けやらで ねやのひまさへつれなかりけり ( 俊恵法師 )

よもすから ものおもふころは あけやらで ねやのひまさへ つれなかりけり



86. 嘆けとて月やはものを思はする かこちがほなるわが涙かな ( 西行法師 )

なけけとて つきやはものを おもはする かこちかほなる わかなみたかな



87. 村雨の露もまだ干ぬまきの葉に 霧立ちのぼる秋の夕暮 ( 寂蓮法師 )

むらさめの つゆもまたひぬ まきのはに きりたちのほる あきのゆふくれ



88. 難波江の蘆のかりねのひとよゆゑ 身を尽くしてや恋ひわたるべき ( 皇嘉門院別当 )

なにはえの あしのかりねの ひとよゆゑ みをつくしてや こひわたるへき



89. 玉の緒よ絶えなば絶えねながらへば 忍ぶることの弱りもぞする ( 式子内親王 )

たまのをよ たえなはたえね なからへは しのふることの よはりもそする



90. 見せばやな雄島の海人の袖だにも 濡れにぞ濡れし色は変はらず ( 殷富門院大輔 )

みせはやな をしまのあまの そてたにも ぬれにそぬれし いろはかはらす



91. きりぎりす鳴くや霜夜のさむしろに 衣かたしきひとりかも寝む ( 後京極摂政前太政大臣 )

きりきりす なくやしもよの さむしろに ころもかたしき ひとりかもねむ



92. わが袖は潮干に見えぬ沖の石の 人こそ知らねかわく間もなし ( 二条院讃岐 )

わかそては しほひにみえぬ おきのいしの ひとこそしらね かわくまもなし



93. 世の中は常にもがもな渚漕ぐ 海人の小舟の綱手かなしも ( 鎌倉右大臣 )

よのなかは つねにもかもな なきさこく あまのおふねの つなてかなしも



94. み吉野の山の秋風さよ更けて ふるさと寒く衣打つなり ( 参議雅経 )

みよしのの やまのあきかせ さよふけて ふるさとさむく ころもうつなり



95. おほけなく憂き世の民におほふかな わが立つ杣にすみ染の袖 ( 前大僧正慈円 )

おほけなく うきよのたみに おほふかな わかたつそまに すみそめのそて



96. 花さそふ嵐の庭の雪ならで ふりゆくものはわが身なりけり ( 入道前太政大臣 )

はなさそふ あらしのにはの ゆきならて ふりゆくものは わかみなりけり



97. 来ぬ人を松帆の浦の夕なぎに 焼くや藻塩の身もこがれつつ ( 権中納言定家 )

こぬひとを まつほのうらの ゆふなきに やくやもしほの みもこかれつつ



98. 風そよぐ楢の小川の夕暮は 御禊ぞ夏のしるしなりける ( 従二位家隆 )

かせそよく ならのをかはの ゆふくれは みそきそなつの しるしなりける



99. 人も愛し人も恨めしあじきなく 世を思ふゆゑにもの思ふ身は ( 後鳥羽院 )

ひともをし ひともうらめし あちきなく よをおもふゆゑに ものおもふみは



100. 百敷や古き軒端のしのぶにも なほ余りある昔なりけり ( 順徳院 )

ももしきや ふるきのきはの しのふにも なほあまりある むかしなりけり







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