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童話

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たきばしのだいじゃ

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むかし、むかし、あるところに村があり、近くには川も流れ橋がかかっていました。
この橋の下には深いふちがあって、あたりには大きな木がたくさんしげっており、日中でも気味の悪いところでした。
そのふちには大蛇が棲んでいて、はげしい風雨を起こしたり、夕方になると、美しい娘のすがたになって、 近くの大きな木の下に立って、そこを通る村人にいたずらをするので、村人たちも気味悪がって、夕方になるとそこを通らなくなりました。
この村に、たいへんかしこい、元気な若者がいました。そして、日ごろ村人たちが大蛇にからかわれているので、ひとつ、反対にからかってやろうと思いました。
ある夏の夕方、その木の下の横を通ると、やっぱり娘のすがたになった大蛇が、立っていました。最近は、 あまり人が通らないので、娘の方もたいへんたいくつそうでした。若者は、その娘のそばへ行き、
「娘さん、娘さん。だれでも、いろいろとすきなものと、きらいなものがありますが、あなたの大きらいなものは何ですか。」
と、たずねました。
すると、娘は、へんなことを聞くな、という顔をしながらも、
「わたしの一番きらいなものは、タバコのやにです。あれは、見るだけでも、身の毛がよだつくらいです。」
と、言いました。 若者は、これはうまいことを聞いたと、大喜びで村へ帰り、
「みなさん、みなさんがいつもいじめられていた大蛇を、こんどは、反対にいじめてやりたいと思います。大蛇のきらいなものは、タバコのやにだとわかりましたので、タバコのやにを、なるべくたくさんためておいてください。二、三日のうちに集めにまわりますから。」
と、村じゅうふれてまわりました。
さあ、村じゅう大さわぎです。今まで何回も、大蛇にいじめられているものですから、今こそかたきをとりたいと、 タバコをすえないのに、むりをしてすう者などもあったりして、たくさんのやにが集まりました。
そこで、バケツに入った、たくさんのやにを持って、若者は村人たちに見送られながら、元気に滝橋へ向かいました。
桂の木の下に来ますと、いつものように美しい娘にばけた大蛇がおり、若者は、
「娘さん、娘さん。あなたの大すきなものを持ってきてあげましたよ。」
と言いながら、やにわに、バケツに入ったタバコのやにを、頭からざざっとかけ、
「わたしの一番きらいなものはお金で、ことに大判、小判は大きらいだ。」
と言って、いちもくさんに、にげ帰りました。
それから四、五日たったあるばん、若者が、家でむしろをおっていると、表のほうで、"チャリン、チャリン、ガチャ、ガチャ"という音がしたので、
何ごとかととびだしてみると、なんとまあ、大判、小判が山のように積んであるではありませんか。
それから若者は、たいへん裕福になったということです。

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