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童話

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どくめし

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むかし、むかし、ある家に若い嫁とその姑が住んでおり、二人は、仲が悪く、いつも喧嘩が絶えませんでした。
姑は、嫁がどんなにきれいに家の掃除をしても、汚いところを探し出しては、小言を言い、
どんなに一生懸命食事を作っても、とてもまずくて食べられないと言い、さらには、近所でも嫁の悪口を言いふらしています。
一方、嫁も姑が大嫌いで、姑に呼ばれても、聞こえないふりをしていたので、いつも姑に対してはふくれっつらをしていました。
これ以上、顔をあわせたくないと思った嫁は、お寺の和尚さんの所へ相談に行きました。
「わかりました。それでは、この毒の粉を差し上げましょう。」と和尚さんは言うと、粉を嫁に渡しました。
「これを、お母さんの食事にちょっと混ぜて下され。だんだんと体が弱って、いずれ病気になって亡くなることでしょう。でも、気づかれないようにお母さんには、たいそうやさしくすることですよ。お母さんの言うことをよく聞いて、やさしくするのですよ。」
嫁は、さっそく、その毒の粉をご飯に混ぜ始め、まずくて食べられないと、お母さんに言われましたが、その度、畳に手をついて謝りました。
「申し訳ございません。今後気をつけますので、どうかお許し下さい。」
嫁は、掃除の後、お母さんに小言を言われる度に、床に手をついて謝りました。
「申し訳ございません。もう一回きれいにいたします。どうかお許し下さい。」
和尚さんに言われたとおり、毒をご飯に混ぜ続けているので、いずれお母さんは病気になると嫁は思っていましたが、一向にその気配はないどころか、益々元気になっていきました。
一番驚いたことは、お母さんが近所の人に、こんな風に言い始めたことです。
「うちの嫁は、出来た嫁じゃ。働き者で、料理もうまい。国一番の自慢の嫁じゃ。」
お母さんも嫁と一緒に家の掃除をするようになりました。
嫁には、どうしたことかわかりませんでしたが、お母さんにほめられるたびに、うれしくなり、知らない内に、嫁はいつも笑顔でいるようになりました。ご飯に毒を混ぜるのは止めました。
ある日、お母さんは、突然具合が悪くなり床に伏してしまい、嫁は、毒が効いてきからだと思い、お母さんを看病しましたが、目に涙があふれてきました。
その涙を見て、お母さんが言いました。
「心配しなくても大丈夫だよ。時期によくなるから。元気になったら、また一緒に働こうね。ありがとう。」
嫁は、そこに座っていられず、お寺の和尚さんの所へ駆け込みました。
「和尚さん、私が馬鹿でした。お母さんは、私にとてもやさしくしてくれます。それなのに、私は、毒をもってしまいました。お母さんを助けてください。私がもった毒で死んでしまいます。」
和尚さんは、首を振ると、
「実はな、あの粉は毒じゃないのだ。じゃがいものの粉でな、病気には決してならん。
きっと働きすぎであろう。二、三日寝てれば、よくなるじゃろ。じゃがいもの粉の効き目が二人にあったようじゃな。お母さんには、いつもやさしくするのじゃよ。」
こういわれ、嫁は、深々と頭をさげてお礼を言いました。
まもなくお母さんは元気になり、二人はそれからも仲良く暮らしました。

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