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童話

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アリとキリギリス

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夏の日差しが、かんかん照りつける道を、一匹のありが、大きいなパンのかけらを背負って歩いていました。すると、道端の草むらで、遊んでいたきりぎりすが声をかけました。
「こんな暑い日に、何をしているんだい。」
「冬にそなえて、食べ物を家に、運んでいるんですよ。」
ありは答えると、忙しそうに、通り過ぎて行きました。
「この暑い日に、一生懸命働くなんて、ばかなやつだなあ。」
きりぎりすは、ありをばかにして、笑いながら見送りました。
きりぎりすは、昼は寝てばかり、夜になると、仲間の虫たちと音楽会を開いて、楽器を弾いたり、踊ったり…。 そんなことをしながら、夏の間中、遊び暮らしていました。

やがて、夏が終わり、秋がやってきましたが、きりぎりすはあいかわらず、働こうとしませんでした。
野原の草が枯れ、木の葉が散ってしまうと、北風と一緒に、冬が、駆け足でやってきました。
「寒い。」
きりぎりすは、枯れ草のかげで、震えていました。寒くて、歌をうたう、元気なんかありません。
きりぎりすはお腹もすいていましたが、食べるものなど、どこにもありません。
「そうだ。ありさんに頼んでみよう。」
きりぎりすは、ありが、夏の間中、せっせと食べ物を家に運んでいたことを、思い出し、さっそく、ありの家を訪ねていきました。
「ありさん、お願いがあるんだけど。」
「どんなことでしょう。」
「すこしでいいたら、何か、食べ物を分けてもらえませんか。」
きりぎりすは恥ずかしそうに言うと、ありは、
「きりぎりすさん。あなたは、夏の間、働いているわたしをばかにしていたではありませんか。悪いけど、お断りします。」 と答えました。
「そんなことを言わずに、何とか頼むよ。」
きりぎりすは、ありに向かって手を合わせ、涙を流して、
「ごめんなさい。ぼくが、間違っていたんだ。」
と、謝りました。
ありは、気の毒になり、食べ物のかけらをひとつもってきて、きりぎりすに分けてやりました。
「ありさん、ありがとう。これからは、まじめに働くことにするよ。」
きりぎりすは、何度もお礼を言いました。
いつのまにか、雪が降りはじめ、きりぎりすは、食べ物のかけらをしっかり背負って、とぼとぼと、帰って行きました。

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