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さんねんねたろう

昔、昔あるところにいつも寝てばかりいる変な男が住んでいました。
人から悪口を言われても、子供からからかわれても一向に気にしませんでした。
「寝てばかりいないで、少しは働いてくれないかい」
「・・グーグーグー」
お母さんが頼んでも、寝ているだけです。
それでも子供のときは普通の男の子だったのに、ある日とつぜん眠り始めたのです。
起きるのは、どうしても我慢できなくなってお手洗いに行くときだけで、
戻ってくるとまた眠ってしまいました。
この寝てばかりいる男のことを、みんなは「寝太郎」と呼びました。
ある時村は干ばつで困っており、神様に雨をお祈りしても無駄でした。
みんなは寝太郎が寝てばかりいて働かないから神様が怒ったのだと思い、
寝太郎をこらしめてやろうと家までやって来ました。
すると寝太郎は目を開け、床から起き上がると、あくびをしてぶつぶつ言いながら家を出ていきました。
山の上にゆっくりゆっくり登ると、寝太郎はぶつぶつ言いながら、大きな岩を押しはじめました。
「まさか寝太郎はあの岩を動かそうとしているのか。動かすのはとても無理だ。」
そう村人たちは言いましたが、それでも寝太郎は一生懸命岩を押しつづけました。すると岩が揺れはじめ、とうとう谷に向かって転がっていきました。
そしてもっと大きな岩にあたり、そしてもっともっと大きな岩にあたり転がっていきました。そして川の流れをせき止め、川は流れを変えて畑に流れ始めました。
「やったー、水がきたぞー」
村人みんな大喜びです。畑は田植えの水で一杯になりました。
寝太郎はいつも干ばつのことをかんがえ、その良い方法を考えていたのです。
寝太郎は家に帰るとまた眠ってしまいました。

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