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ゆうかんなウサギ

むかし、むかし、ご存知のとおり、うさぎとかめは、山の上まで競争しました。
誰もが、うさぎの方がかめよりも早くそこに着くと思いました。しかしうかつにも、うさぎは途中で寝てしまいました。目が覚めた時は、もうあとのまつりでした。かめはすでに山のてっ辺に立っていました。
山のうさぎたちはそのことを知ると、カンカンに怒って、
「この恥知らずめ。ここから出て行け。」
うさぎは故郷を出ると、別の山で新しい生活を始めました。
ある日、木の上の鳥たちがうさぎの故郷のことを話しているのを耳にしました。
「うさぎ村で大変なことが起きているそうよ。恐ろしいオオカミが若い三匹のメスうさぎを要求しているんだって。もし拒否したら、村を襲ってうさぎを皆殺しにするんだって。」
うさぎは、村に駆け戻ると、みんなに言いました。
「一大事とのこと。俺がオオカミの所に行って、奴をやっつける。うまく行ったら、もう一度ここに住ませて下さい。」
「いいだろう。」
とみんなは言いました。
うさぎは山を登り、オオカミが住むがけの上に行きました。
「オオカミさん、三匹のメスうさぎを連れてきました。でもあなたの顔を見るのが恐くて、ここには来られないとのことです。ここまで連れてくる間、がけの端に座って、谷の方に顔を向けていて下さい。」
「よかろう。すぐ連れて来い。」
オオカミは、言われたとおり、がけの端に座ると谷のほうに顔を向けると、
うさぎは、こっそりオオカミの後ろに近づき、思いっきりオオカミを谷に突き落としました。
オオカミは谷に落ち、命を落としました。
勇敢はうなぎは村に戻り、新しい英雄になりました。

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