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タヌキとタニシ

むかし、むかし、山に住むたぬきさんが田舎道を急いでいると、田んぼの所で、誰かに呼びとめられました。
「たぬきさん、どこへ行くの。」
たぬきさんは、びっくりして立ち止まり、あたりを見回すと、たにしさんが足下にいました。
「町の神社にお参りに行くんだ。」
「わあ、本当。私も行こうと思っていたの。たぬきさん、鳥居の所まで、私と競争しない。」
「僕が君と、たにしさんと競争だって。ばからしい。」
と言うと、たぬきさんは町に向かって駆け出しました。でも、たにしさんは、ちゃっかりたぬきさんのしっぽにしがみつきました。
たぬきさんは、どんどん駆けて行き、鳥居の所についたところで、
「遅いわね。」とたにしさんが、しっぽにつかまったまま言うと、
「誰だよ。」とたぬきさんが振り向きざま、しっぽを鳥居の柱にぶつけてしまい、その拍子に、たにしさんは、鳥居を通り抜け、道に投げ出され、殻がこなごなに割れてしまいました
たぬきさんは、通りの向こうの道に、たにしさんが座っているのを見て驚きました。
「私のほうが早かったわよ。とても一生懸命走ったので、熱くなったの。だから、殻を脱いだの。もう三十分も待っているのよ。」
たぬきさんとたにしさんは、とても仲良しになりました。

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