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童話

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あまのいわや

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むかし、むかし、またそのむかし、古代の日本神話では、昼は天照大神(あまてらすおおみのかみ)に、夜は月読命(つきよみのみこと)によって治められていると信じられていました。
ある日のこと、天照大神のところに暴風の神である弟の須佐之男命(すさのおのみこと)がやって来ました。
須佐之男命はとても乱暴な神で、滞在中にも幾つかひどいことをしました。天照大神の田んぼを荒らしたり、水路をどろでふさいだり、神殿をめちゃくちゃにしたりしました。
須佐之男命をいつくしんでいた天照大神は、そんな乱暴な振る舞いに何度も何度も、幾度も幾度も、我慢を重ねてきました。
しかし、そんな天照大神の思いに気づかず、荒れすさぶ須佐之男命の振る舞いはますます度を超していきました。
ついには馬の生皮を機織(はたおり)部屋の屋根から投げ入れたものですから、機織女の中には、けがをしたり、驚きのあまり命を落としたものもいました。
もういけません。天照大神は須佐之男命の振る舞いに、もはや我慢できませんでした。
「もう弟にはあきれました。」
と言うと、天の岩屋に身を隠してしまいました。天照大神が岩屋に入ってしまい、世界は真っ暗闇になってしまいました。
幽霊や悪霊たちが現われては、あちらこちらで騒ぎを起こすので、この状況を心配した神々は、集まって相談しました。
「何とかして、天照大神を岩屋から出す方策を立てなければならない。」
「天照大神に岩戸を開けさせるべきだ。」
「そのためにどうすればいいのだ。」
様々な意見を出し合っていると、思金神(おもがねのかみ)がこう言いました。
「岩屋の前で楽しい舞(まい)をしてみたらどうであろう。何事かなと思って、岩戸を開けるかもしれない。」
「それは、いい考えだ。」
居合わせた神々はみんな賛成し、さっそく準備に取りかかりました。天手刀男神(あまのたぢからおのみこと)が岩戸の脇に立っており、天照大神が少しでも岩戸を開けたら一気に開けようというねらいです。鏡が岩戸のすぐ前に吊されました。
ほどなく、神々が輪になって座り、そしてその輪のまん中に置かれた樽の上に天宇受売命(あまのうずめのみこと)が上がって舞い始めました。
こっけいで魅力的な舞に神々は笑ったり、歓声を上げたり、手を叩いたり、一緒に踊り出す神々も出てきました。笑い声が、まるで天が激しく揺れるようにこだましました。
そんな笑い声を聞いて、天照大神は不思議に思いました。
「私がここに隠れていて、世界は真っ暗闇のはずなのに、どうしてみんな楽しいのでしょう。」
外にいる神々に尋ねてみました。
「一体どうして、そんなに大声で笑っているのですか。」
天宇受売命が舞うのを止めて答えました。
「あなたよりずっと偉い神様がここにおられます。みんなうれしくて宴(うたげ)を楽しんでいるのです。」
天照大神は、好奇心のあまり、様子を見てみようと岩戸を少し開けてみると、目にしたのは、神々しく光り輝く女神の姿でした。
実はそれは岩屋の前に吊された鏡に映った女神自身の姿でした。天照大神はもっとよく見ようともう少し広く岩戸を開けました。
その時、手刀男神が思いっきり岩戸を開け、天照大神を外に出しました。岩屋から姿を現わした天照大神を見て、神々は大歓声を上げ、世界は再び光に満ちあふれました。
須佐之男命は厳しく罰せられ、高天ガ原(たかまがはら)から追放され、そして日本の西の国、出雲に降り立ちました。

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