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くちなしにょうぼう

むかしむかし、長い間結婚もせずに、一人で暮らしている男がいました。
男は村の人に、
「飯を食くわずにはたら働いてくれる嫁がいたら、ええのになあ、」
といつも話していました。
その夜、男のところに、なんと口の無い女がやってき来て、
「私を嫁にしてくれ。」と言ってきました。
「なるほど、くち口がな無けりゃめし飯をく食わんから、こりゃ良かろう」
と男は思ったので、その女を女房にしましたが、女は飯を食べないはずなのいつも家の米が減っているのに気づき、ある日、男が畑へ行くふりをして、裏口から女の様子をのぞいてみたところ、口のない女房が、大きなおにぎりを何個も作って、自分の頭の髪をといたかと思ったら、おにぎりを上に向かってなげて、頭の口で食べてしまいました。
男はビックリしましたが、よくよく見てみると、女はくもだったのでした。

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