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童話

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こめんぶくあわんぶく

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むかし、むかし、「すず」という可愛いい女の子がおりました。おかあさんを早くに亡くし、すずのあぞび相手はすずめだけでした。
おとうさんは美しい女の人と再婚して娘ができました。新しいおかあさんは、自分の娘にはやさしくしましたが、すずに対しては辛くあたりました。
まもなくおとうさんも亡くなり、すずはもう継母には必要ない存在になったので、毎日、家事を沢山することを命じられました。
「すず、家の中を掃除して、洗濯して、食事を作って、それから・・・」
ある日の夕方、すずは山に行って栗を拾って来るよう言われたので、山に行き栗拾いをしている間、すっかり日が暮れて、すずは山で迷ってしまいました。
「ここはどこかしら。道に迷ってしまったわ。どっちに行けばよいのかわからないわ。」
その時、遠くに明かりが見え、古い小屋がありました。そこには、おばあさんが囲炉裏の脇に座っていました。
「山で道に迷ってしまいました。今夜ここに泊めてもらえないでしょうか。」
「よかろう。」
しかし、何と言うことでしょう。おばあさんは、恐ろしい山姥に身を変えました。
「お前は、いい子のようだ。わしの頭からしらみを取っておくれ。」
「はい。」と言うと、すずは恐さも忘れ、言われたとおりにしました。
すずは、しらみだけでなく、蛇やムカデも取り除いてやりました。
山姥はすずがたいそう気に入り、
「お前は、いい子だ。この玉手箱をあげよう。何か欲しくなったら、箱を開けて欲しいものを言いなさい。」
すずは無事に家に帰りましたが、継母はすずが無事に帰ってきたことを喜びませんでした。
「よくも栗も取らないで、生きて家に帰ってきたわね。」
村ではお祭りの日がやってきて、太鼓や笛の音が聞こえてきました。継母は自分の娘をお祭りに連れて行きました。出かける前に、継母は庭に米を撒いて、すずにこう命じました。
「米一粒残らず、土をつけないで拾っておきなさい。拾えなかったら、お祭りには行けないよ。」
泣きながら、撒き散らかれた米を拾っていると、すずめが沢山庭に飛んできて、こめ拾いを手伝ってくれました。
「さあ、お祭りに行けるわよ。」とすずめが言いました。
「着物が汚くって、恥ずかしいわ。」
「玉手箱、玉手箱。」とすずめが言いました。
「着物が欲しい。山姥さん。」
箱を開けると、綺麗な着物が出てきました。すると、馬に乗った山姥が現われ、草履を彼女に差し出しました。
「さあ、この馬でお祭りに行っておいで。とても綺麗だよ。」と山姥は言いました。
着物姿のすずに、お祭りの誰もが目を見張りました。
「あの子は誰だい。」みんなが聞き合いました。
長者の息子も大そうすずを気に入り、見物席で自分の横に座らせました。
「見て、お母さん。お姉ちゃんがあそこに座っているよ。」妹がお母さんに言いました。
「馬鹿を言いでないよ。あのお方は、どこかの国のお姫様だよ。」
豪華な神輿を担いだ人たちがすずの前を通り過ぎました。
すずはまるで極楽にいるような気持ちで、長者の息子と恋に落ちました。
しかし突然、すずは立ち上がると言いました。
「もう行かなくてはなりません。お別れです。」
すずは、誰より先に家に帰らなくてはならないので、馬に飛び乗り、一目散にお祭りから戻りましたが、ただ片方の下駄を落としてしまいました。長者の息子は草履を手に取り、しばらく考え込んでいました。
ある日、長者の家の者がやって来ました。
「私どもはお祭りの日にこの草履を履いていた娘さんを探しております。」
「あら、これは娘のよ。」と、継母は言うと自分の娘に押し付けました。でも草履はちょっと大きすぎました。
そこへ、すずが家から手にもう片方の草履を持って飛び出してきました。
「あなたこそ、息子さんが探しておられるお方です。」
すずは長者の家に嫁いで幸せに暮らしました。

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