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童話

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ウシにひかれてぜんこうじ

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むかし、むかし、信濃の国に若い後家(ごけ)さんが住んでおりました。信濃は善光寺というお寺があるところです。
後家さんは、夫を数年前に亡くして失意のあまり、もはや神も仏も信じられなくなり、それからはお寺にお参りすることもありませんでした。
ある暑い日、手ぬぐいをかぶり畑仕事をしてると、突然、大きな牛が何処からともなく現れ、こちらに向かって突進してきました。後家さんは、大きな叫び声を上げ、脇に飛びのきました。
幸いにも何とか牛をよけることはできましたが、しばし茫然として、牛を見ると、牛の頭に手ぬぐいがかかっているではありませんか。わきに避けたはずみに頭から落ちて牛の角に引っかかったのです。
牛は畑を二度廻ると、角に手ぬぐいを引っ掛けたまま走り去りました。
「こらぁ。その布を盗んでどうするんだ。」
怒った後家さんは、手ぬぐいを取り戻そうと牛を追い駆けましたが、走れど走れど、とても牛の速さにはかなわず、牛はやがて見えなくなってしまいました。
後家さんは必死になって追いかけたので息が切れてしまい、立ち止まり、深呼吸をすると、回りを見まわしてみました。すると、そこは善光寺の境内ではありませんか。
「何かしら。」
後家さんは、地面に目をやると、牛のよだれで、文のようなものが書かれているようです。
お釈迦さまを信じなさい。地獄行きか極楽行きかは、人がお釈迦さまを信じるかどうかにかかっているのだから。
後家さんは、不思議な気持ちになり、それと同時に誰かにこっちへ来いと手まねきされているようです。
お寺の本堂に向かって足を踏み出すと、本堂では、お坊さんがお経を唱えています。お経の内容はほとんどわかりませんでしたが、安堵感を覚え、じきに涙があふれてきました。
「何と罰当たりな日々を過ごしたことでしょう!」後家さんは悟り、
それ以来というもの、後家さんは仏を信じるようになり、足しげくお寺にお参りし、亡き夫と自分の後生をお祈りしました。
それから数日後、後家さんは村内や村はずれのお地蔵さんをお参りすることにしました。最初のお地蔵さんに近づいて行くと、何か白いものが頭の上にありました。よく見てみると、
「まあ、これは私が無くしたあの手ぬぐいだわ。」
手ぬぐいを被ったお地蔵さんは、慈悲深いまなざしを浮かべていました。牛に姿をかえて自分をお寺に導いてくれたのはこのお地蔵さんだわ、と後家さんさとりました。
その後、後家さんは生涯その観音様にお仕えしたということです。

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