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童話

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わたしたちのアデルおばさん

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アデルおばさんは緑の屋根のかわいいおうちにひとりですんでいます。
おばさんはこの家にもうながいことすんでいて、わたしやおとなりのピエロは、一週間のうちのはんぶんの午後をおばさんのところで過ごします。
おしゃべりだけでなくてお天気のいい日は、歌をうたって森の中のきいちごをつんだり、川にひたしてつめたくしたベリーソーダを取りにいったり、雨の日はおうちの中で絵を描いたり、おばさんのぬいものの手つだいをしたり、ときどきはおばさんのひみつのレシピでおいしいおかしをやいたりします。
わたしたちはおばさんに学校であったことや友達のこと、パパやママのことやわたしのネコのこと、ピエロのお兄さんのアンリやお友達のゾーイのこと、お手伝いのマリーのこと、学校から帰るときにポケットに入れてもってきたきらきらのビーだまや蛇のぬけがらのことなど・・たくさんお話をします。
アデルおばさんはいつもにこにこして楽しそうに聞いてくれます。

きょうもおばさんの家にいくつもりで、森のそばを通ったら、アデルおばさんが大きな買い物バスケットをもって、むぎわら帽子をかぶって出かけるところだったので、ピエロが「いってみようよ。」っていうのでふたりでおばさんの後についていくことにしました。
おばさんはとてもいそいでいて、でもしばらくするとおばさんがむかっているところがどこだか分かったのでわたしたちは近道を通ってさきまわりをすることにしました。やっぱりおばさんは町で一番大きなマチルダおばさんの店にやってきたわ。
アデルおばさんがお店にはいってしまったのでおばさんが何のかいものをしているのか窓から見ようとしたんだけど、おばさんはすぐに重そうな買い物バスケットをかかえてお店から出てくるとマチルダおばさんが「それじゃ、アデル、おめでとう。」といい、おばさんは「ありがと、マチルダ。あとでね。」とわらってこたえてまた急いで通りをよこぎっていきました。
ピエロとわたしは顔を見合わせて言いました。
「おめでとう?なんのこと?」
わたしたちはまた急いでちかみちをしておばさんの家の近くの道でおばさんを待ちました。
しばらくするとアデルおばさんが真っ赤な顔をして戻ってきました。
「おや、ピエロにエレナ。ちょうどよかったわ。さぁ手伝ってちょうだい。きょうは忙しい日なのよ。」
わたしたちはなにがはじまるのかわくわくしておばさんについていったわ。

おばさんは家の台所に入るとすぐにジャケットと帽子を脱いでエプロンをつけ、窓とカーテンを開けて、テーブルの上を片付け、それからオーブンをあたためはじめました。
そして買い物バスケットから茶色いふくろと白い袋の粉をとりだして、真っ白で大きなボウルの中にそれぞれをカップで1杯ずつ、やまもりにして入れました。
つぎにおばさんは赤と黄色の小さな缶の粉をスプーンで2はい、砂糖をカップで1杯分いれて、おおきな泡だて器をピエロに持たせると、めちゃくちゃにかき混ぜないことをやくそくさせて粉を良く混ぜるようにいい、私には少し小さめのボウルを持たせて中に卵を6個割りいれ、白っぽくなるまでよくかきぜてねといいました。
わたしたちはおばさんのてつだいができることがうれしくて一生懸命混ぜました。
その間おばさんは柔らかくしておいたバターにカップ1杯のお砂糖を入れて練っています。三人の混ぜものが出来上がるとおばさんはそれを一つにして、冷蔵庫から取り出した大きなビンに長いこと漬け込んだフルーツミックスを何回もスプーンですくって入れました。
腕まくりをしたおばさんはそれをみんないっしょにざっざっと混ぜて、用意してあった天板の上にのせました。 そしてくるみやプラムやチェリーやアンゼリカなどのたくさんはいった缶のふたをあけて、おばさんはこういうのよ。
「そうね、よくはたらいてくれたからすこしならつまんでもいいわ。」
オーブンからあたかな甘いにおいがしてくるころ、わたしたちはちょっとつかれておばさんのいれてくれたレモンのお茶をのみました。
それからおばさんに言われて居間のかたづけをしました。
「アデルおばさんきょうは何の日なの?なにかとくべつな日なの?それともおきゃくさまなの」とわたしはききました。
だって居間のテーブルの上には真っ白な布がかけられ、きれいにししゅうされたナプキンとぴっかぴかにみがかれたナイフやフォークがなれべられていたんですもの。

そのときドアが開いて、「こんにちは、アデル。」といってマチルダおばさんが入ってきました。
それからすこししてアンリとゾーイがいろんな色の花を沢山まとめた花束を持ってやってきました。
そのあとはわたしのパパとママがお手伝いのマリーとご主人のジャンといっしょに
「アデル、おそくなってごめんなさい。」「きょうはおめでとう。」「もう手伝うことはないのかい?」
などといいながらはいってきたので、わたしはびっくりしました。
「なんなの?」「きょうはいったい何のお祝いなの?」
わたしたちがいっしょにたずねたとき、台所からエプロンをはずしたアデルおばさんとマチルダおばさんがでてきました。
「みんな見て。エレナとピエロがこんなにきれにかざってくれましたよ。」おばさんはそういいながら、テーブルの真ん中にわたしたちがてつだってつくった大きなフルーツリースケーキをおきました。それにはローソクが何本か立てられ、ゆらゆらと火がゆれていたの!
パパとアンリがうたいだし、つづいてママとマリーとそのご主人とゾーイがそれにくわわりました。
「おめでとうおめでとう。おめでとうわたしたちのアデル。 いつもやさしいアデル。きれいでたのしいアデル。おめでとうおめでとう。おめでとう、アデル。幸せなきょうはあなたの誕生日。」
わたしとピエロは顔を見合わせたわ。
誕生日だって!?びっくりしたりこまったりしているわたしたちのまえでアデルおばさんがろうそくを吹き消すと、みんなはわぁっといって手をたたきました。
そしてそれぞれのおさらにおいしいお料理をとりわけ、おしゃべりや笑い声のまじったたのしい食事が始まりました。
「ピエロ、エレナ。きょうはてつだってくれてどうもありがとう。あなた達がいつもわたしのいえにやってきていろんなお話をしてくれたり一緒に楽しい時間をすごすことができてわたしは本当にとても幸せなの。あなたたちがわたしの家にくるのをとめないでいてくださるエレナのパパやママ、ピエロのお兄さんのアンリやゾーイ、そしてマリーたちにもわたしはとても感謝しているのよ。だから今日のわたしの誕生日はどうしてもあなたたちといっしょに過ごしたいと思っていたの。みなさんわたしの大事な日を一緒にすごしにきてくださってほんとうにありがとう。」
「お誕生日おめでとう!アデルおばさん。」
その日はいつもよりもずっとおそくまでおうちのなかでいつまでもたのしくゆかいに過ごしました。

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