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童話

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カエルのおうさま

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むかしむかし、ある国に王さまがいました。 王さまには何人もの美しいお姫さまがいたのですが、なかでも末の姫君ときたら、誰もが見るたびに美しさにびっくりするほどでした。 お姫さまのお気に入りの場所はお城近くの大きな暗い森の中の古いぼだいじゅの木の下で、近くには深い泉がありました。 そして、そのすぐそばで黄金のまりを放り投げては遊んでいたのでした。

ある日、いつものように遊んでいたお姫さまの手もとから黄金のまりがころころと転がって、泉の中に落ちてしまいました。 なにしろ黄金のまりの姿さえ見えなくなるほどの深い泉です、どうしようかと泣いていたところカエルが泉から顔だけ出して尋ねました。
「どうして泣いてるんですか?」
「なんだかえるさんなの、私の大事な黄金のまりが泉に落ちてしまったから泣いているのよ」
「なんだそんなことですか、では私が黄金のまりを持ってきてあげましょう、かわりにお姫さまは何をくれますか?」
「なんでも!きものでも真珠でも宝石でも黄金のかんむりでもよ!」
「そんなものより、お姫さまのお友達にして下さいな。お姫さまと同じテーブルで、お姫さまと同じ黄金の皿でご飯を食べさせてくれて、同じベッドで寝かせて下さいな。そうしたら、黄金のまりを拾ってきてあげましょう」
「もちろんよ黄金のまりをとってきてくれたら、その通りにしてあげるわ」
心の中では、カエルの約束なんて守るつもりは少しも無かったのですが、大事なまりのためにそういいました。
お姫さまの返事を聞くと、カエルは泉の底から黄金のまりを口に浮かんでくると草の上に放りなげました。 それを拾い上げるとお姫さまは大喜びでお城へ帰っていきました。
「待って~置いていかないで~」
と、カエルを置いてお姫様は行ってしまいました。

次の日のこと、お姫さまが食事をしているとお姫さまを呼ぶ声が聞こえ、見てみると、それは昨日のカエルでした。
「姫や、いったいどういうことだ?」
王さまに昨日のことを話すと、王さまは、
「姫よ。どんな理由であれ約束は守らなくてはいけないよ」
と言ってカエルを食卓に招くよう言うので、お姫さまは本当にいやだったのですがしぶしぶカエルを食卓にまねいたのです。
「お姫さま、椅子にあげてくださいな」
「お姫さま、テーブルにあげてくださいな」
「お姫さま、同じお皿で食べさせてくださいな」
「お姫さま、疲れてしまいましたお部屋で一緒に寝ましょうよ。約束したでしょう」
約束した事とはいえ、カエルと一緒いることが嫌で嫌でしかたがなかったので、お姫さまはカエルにつめたい態度でいました。
するとカエルは、
「それじゃあお姫さま、最後にお願いがあります。僕にキスをしてください。そうしたら僕は森へ帰ります。」
お姫様は、すごくいやだったのですが、キスすればカエルは森に帰っていくと約束したので、カエルのほっぺたにキスをしました。 すると、どうしたことでしょうカエルは人なつこい美しい目をした王子に変わったではありませんか。それからカエルは王さまに気に入られ、お姫さまと結婚することになりました。 王子様は悪い魔法使いに呪いをかけられカエルの姿にされていたのでした。そして明日にはお姫さまを連れて国に帰るといいました。
「あの泉から助け出してくれたのは君だけだったんだ。おかげで呪いが解けた。有難う。」
王様のはからいで王子様はお姫さまのお婿さんになり、末永く幸せに暮らしたという事です。

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