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童話

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おやゆびこぞう

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森にきこりとおかみさんが七人の子供と暮らしていました。一番下の子は、生まれた時に親指ほどの大きさしかなく、七つになった今も小さなままで、あまり口もきかず、みんなから「親指小僧」と呼ばれていました。
きこり夫婦はもともと貧しかったのですが、子供が出来てからますます貧しくなり、もう、きこり夫婦には子供たちに食べさせる事が出来ませんでした。
「おまえ、もう子供たちを養っていけないよ。」
「明日、子供達を森に連れていくんだ。子供が柴を集めてる間にお前は逃げ帰ってくればいいんだよ。」
朝になって、みんなで最後のパンを食べミルクを飲むと、おかあさんと一緒に兄弟みんなで薪拾いに出かけました。
兄弟達は、大はしゃぎで、小枝を拾い、薪のたばを作ると、ふと、お母さんがいないことに気づき、兄弟達は大きな声で泣き叫びました。
「兄さん達、泣かなくていいよ、ボクが家まで連れて帰るからね。」
そう、親指小僧は兄弟たちをはげましましたが、雨が降り始め、辺りは真っ暗で、子供たちは、急に怖くなり、真っ暗な森の中に、風が激しく吹き荒れ、闇の中に狼の声がこだまします。 雨がバラバラ降り出し、兄弟は暗闇の中を歩き続けましたが、寒さで手も足も痛くてたまりませんでした。 親指小僧は、近くの木に登って辺りを見ると、遠くの方にあかりが見えたので、親指小僧は兄弟を励ましながら、あかりのある家に着くと、戸を叩きました。
すると優しそうな女の人が出てきたので、親指小僧と子供たちはホッとして、「どうか一晩泊めてください。」お願いしました。 女の人は子供たちを見ると困ったような顔をして、
「こまったねぇ、こんな雨の中、追い出すわけにもいかないし、でもねえ、ここは人を喰う鬼の住んでいる家なんだよ。」
親指小僧たちは、ここが人食い鬼の家と聞いて怖くて怖くて仕方ありませんでした。
「一晩泊めてあげるから、明日の朝になったら逃げ出すんだよ。」
女の人はそう言って子供たちを中に入れ、暖炉の側で子供たちの服を着替えさせ、暖かいミルクとパン、焼いた肉を食べさせてくれました。 その時!戸をガンガン叩く音が聞こえてきました。人食い鬼が帰ってきたのです。
女の人は親指小僧達に小声で、「あのベッドの下に隠れているんだよ。絶対出てきちゃ行けないよ。」と、子供たちをベッドの下に隠しました。 人喰い鬼は家に入るとすぐに食卓の上のぶどう酒をごくごく飲み、「肉の用意は出来てるか?」と聞きました。
「ああ、あんたの良いように、羊を一匹焼いてあるよ。」と女の人は答えました。
「うん?羊の肉か?俺には生肉の匂いがするんだがな。」
人喰い鬼は、くんくん鼻をならしながら匂いをかいでいると、
「何言ってるんだい。肉はこの羊の肉だけだよ。」
女の人は慌てて言いましたが、人喰い鬼は、立ち上がり、あたりを嗅ぎ回りはじめました。
ベッドの下の親指小僧達は見つかったらどうしようと、生きた心地もしませんでした。
「いやぁ、これは雨に濡れた子供の匂いだ。」
そう言いながら人喰い鬼は、ベッドをひっくり返しました。人喰い鬼は子供たちを見つけると、嬉しそうに舌なめずりして、子供達の顔をべろりとなめました。
「ああ、うまそうだ。この肉に合ううまいソースを作ってくれないか。」
女の人は慌てて、 「何言ってんだい?この焼いた羊はどうするんだよ。さばいた子牛はどうすんだよ。」
と、人喰い鬼に問い詰めました。
「う~ん、そうだなぁ。しかたねぇ、しばらくガマンするか。こいつらにしっかり食べさせて、太らせとくんだぞ。」
そう言うと人喰い鬼は、食卓に着くとワインを飲みながら、子供たちを見ては嬉しそうに肉を食べ、いつもより沢山飲んでしまい、人喰い鬼は酔いつぶれてしまいました。 女の人はホッとして、子供たちに沢山ご馳走した後、二階へ連れていってくれました。 二階には大きなベッドが二つあって、一つのベッドには人喰い鬼の娘が七人、眠っていました。娘達は親指小僧達と同じように、まだほんの子供でしたが、尖ったかぎ鼻と、スキのように鋭い歯を持ち、頭に金の冠をかぶっていました。
女の人は親指小僧達をもう一つのベッドに寝かしつけ、一階に降りていきました。すると親指小僧は隣のベッドに行き、娘達がかぶっている冠を取ってきて、兄弟達にかぶせ、自分たちのかぶっている頭巾を娘達にかぶせました。 それから、人喰い鬼が二階へあがってくると、頭巾をかぶっている娘をさっききた子供たちだと勘違いし、そのまま逃げれないように縄でしばっておきました。
夜中になり、人喰い鬼のいびきが聞こえてくると、親指小僧は兄さん達を起こし、服を着替えて、窓から外へ飛び出しました。そして、雨の上がった夜道を走り続けたのです。
明け方、人喰い鬼も目を覚まし、「昨日の子供の支度を頼むぞ。」というと、おかみさんが二階に行きましたが、そこには、すでに自分の娘しかいないことに気がつきました。 人喰い鬼は、娘達の頭に頭巾がかぶせてあるのを見ると、歯ぎしりして「あの子供らめ!必ず捕まえてやる!」と叫ぶと、「七里の長靴」という魔法の長靴をはくと外へ飛び出しました。「七里の長靴」は、ひと足でそれは長い距離をいっきに走ることができる長靴でした。
その靴であちこちを飛び歩き、子供たちを探しました。その音は山々にビュオーン!ビュオーン!と響き渡りました。 親指小僧と子供たちはその音に気がつくと、岩場の下のくぼみに身を隠し、じっと人喰い鬼の様子をうかがいました。 そのうち人喰い鬼は疲れ果て、岩の上で大いびきをかいて眠ってしまいました。
親指小僧はそっと兄弟達を逃がすと、人食い鬼から「七里の長靴」をぬがしはいてみると、その魔法の靴は、親指小僧にぴったりのサイズになりました。そしてひと足歩くと七里を飛ぶように駆けたのです。
親指小僧はふと思いつくと、その靴をはいて、人喰い鬼の家に行き、女の人に、
「旦那さんが盗賊につかまって "金銀を差し出さなければ殺す" と言われています。この靴をはいて早くありったけの財宝を受け取ってこい、とおっしゃいました。」
と、うその話をしました。驚いた女の人は、ありったけの財宝を渡すと、親指小僧はその財宝を持って家に帰りました。
その後、たくさんの財宝でお金持ちになり、家族みんなで幸せに暮らしました。

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