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童話

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じひのかみさま

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むかし、むかし、あるところに心優しい女の子が住んでいました。両親をなくし、村人に助けられ一人で暮らしておりました。
ある日、道のわきにお坊さんが横たわっておりました。
「お坊さん、どうしたのですか。」と言うと、お坊さんの額に触ってみると、
「まあ、大変。熱があるわ。」
女の子は、お坊さんの手を取ると、小さな家までつれて行き床につかせてあげ、おかゆを食べさせたいと思いましたが、お米がありません。
女の子は隣の家からお米を少し分けてもらうことにしました。
「すみません。お米を少し分けてください。」
「いいよ、田植えのとき手伝ってね。」
「わかったわ。ありがとう。」
女の子は近所の家にも行きました。
「すみません。お薬を少し分けてください。」
「いいよ、田植えのとき手伝ってね。」
「わかったわ。ありがとう。」
女の子は近所の家々を回って味噌や豆腐や魚や野菜や牛乳を分けてもらいました。
「すみません。・・・を少し分けてください。」
「いいよ、田植えのとき手伝ってね。」
「わかったわ。ありがとう。」
結局、二十件の家を回って、三日三晩お坊さんの看病をしました。
お坊さんは元気になって旅立つとき、女の子に小さな仏像をあげました。
「手厚い看病ありがとう。元気になりました。お礼のしるしとしてこの観音様をあげましょう。」
数週間後、隣の人がやってきました。
「明日が田植えだ。頼むよ。」
次から次へと近所の人がやってきました。
「明日が田植えだ。頼むよ。」
結局、二十人の村人がやってきました。
「どうしょう。一日で一度に二十人の田植えは手伝えないわ。観音様、助けてください。」
観音様の前に座って一生懸命祈りました。
あのお坊さんも山の上でお祈りしていました。すると突然空が暗くなり、美しい観音様が空に現れました。
「お坊さん、よく聞きなさい。あなたがお世話になった女の子がとても困っていますよ。助けてやりなさい。十九人の娘さんを連れて村に行きなさい。」と言うと、消えてしまいました。
お坊さんは、ある村の家々を訪れて、娘さんにお願いしました。
「娘さん、山の向こうの村の田植えを手伝ってくれないかい。」
「お坊さんのお願いなら手伝うわ。」
結局、十九件の家を回って、娘さんにお願いしました。
田植えの前の晩、女の子は観音様の像の前に座って考えていました。
「全部の家の手伝いはできないわ。明日は隣の家を手伝いましょう。一生懸命働けば、観音様が助けてくれるわ。きっと何とかなるわ。」
外では雨が降り出しました。
次の日、まだ夜が明けぬ暗い朝、女の子は起きると箕(みの)と箕かさを身にまとい出かけました。
お坊さんと箕(みの)と箕かさをまとった十九人の娘さんも村に着きまいた。
それぞれの家に行き、田植えを手伝ってやりました。
「お手伝いありがとう。」村人たちは言いました。
女の子と十九人の娘さんたちはそれぞれの田んぼで一生懸命働き、一方で、お坊さんは女の子の家で観音様にお祈りしていました。
夕方、女の子はへとへとになって帰ってきました。そして、十九人の娘さんとお坊さんは戻っていきました。
次の朝、近所の十九人の村人が女の子の所にやってきました。
「ごめんさない、でも・・・」と言おうとしました。
「昨日はお手伝いありがとう。」
村人たちはお礼に色々なものを持ってきてくれました。女の子は昨日何が起こったのかわかりませんでした。でも小さな観音様を見て、
「あ、わかった。観音様が私の代わりに田植えを手伝ってくれたのだわ。」
女の子は、観音様の前にひざまずくと、心を込めてお礼をいいました。

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